名古屋工業大学ヨット部

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ヨット部に入って良かったこと#19

 
平素より大変お世話になっております。
470級4年の衣川純平です。
ようやくスギ花粉の季節が終わりを告げ、僕の鼻にも空気と香りが訪れるようになりました。この数ヶ月、口呼吸と匂いがしない食事に耐え続けてきましたが、ついに開放されます。鼻で呼吸できるということは素晴らしく、匂いのある食事は人生を豊かなものにしてくれます。花粉症でない皆様もどうか、花粉症の僕たちの分までその幸せな生活を謳歌してください。

ぐすん。


 
今回のテーマは「ヨット部に入って良かったこと」です。
他の部活動や団体に平行して所属しているわけではなかったので、「他と比較してここが良い」みたいなことは多く書けないと思います。しかし、ヨット部に入って損はしない理由は伝えられるので、新入生、現役生問わず、最後まで読んでもらえればなと思います。
早速ですが、ヨット部では変な人にたくさん出会えます。ヨットが好きすぎて、ヨットや船について知識をつけていくほど日常での物忘れが激しくなる人。学業が疎かになるほどヨットにのめり込んでも平気な顔をしている人。楽しく働けないアルバイトを拒み、豆腐やもやし中心の食事を受け入れている人。その他にも、様々な方面で一癖も二癖もあるような人たちがたくさんいて、飽きの来ない日々が送れると思います。そもそもヨットという競技が自然を相手にするため思い通りにいかないことが多く、また、夏は極暑で冬は極寒、風が強い日には手のひらはボロボロ体はバキバキ。言い方は悪いですが、どこかのネジが外れていないとやってられない競技なのだと思います(笑)。しかし、そんな人たちが夢中になるヨットというものは奥が深く、ヨット業界は人口の割にはエネルギッシュだと感じています。幅広い年代で楽しまれているからこそ自分の知見が広がる機会が多くあり、大きく変わり成長できる場が転がっているのがヨット部の醍醐味でもあります。

「良かったこと」の2つ目は、何とかする力が身に付くことです。二人乗りのヨットのため、広い広い海の上で頼れるのは相方か自分だけ。想定外のトラブルは起こるものですから、いざという時には素早く、適切な判断と行動が求められます。そのためには普段から、知識をつけ動揺しないよう自信をもつこと、2人いるのだから視野を広く状況判断に努めること、優先順位を違わないこと。要は、ケーススタディなど準備を怠らず、初めてのことにも柔軟に対応できるよう心がけることが大切になります。これらはトラブル対応だけでなく、ヨットの技術向上やレースで良い順位を取ることにも繋がってくるので、ヨットを志そうと考えている方や、後輩たちには心に留めておいてもらいたいです。

続いて、「良かったこと」の3つ目は、ヨットという乗り物に出会えたことです。そもそも乗り物を扱うスポーツ自体が少なく、オリンピック競技に指定されているものでは、カヌーやボート、サーフィン、スケートボード、自転車などが挙げられると思います。その他にも乗り物を扱う競技はありますが、その中でもヨットは特に、繊細に物理を駆使した乗り物だと感じています。揚力を生みだすということが僕の人生では初めてでしたし、水の上を進んでいくので、浮力や摩擦、造波、モーメントなど、様々なことに気を遣わなければなりません。気候や風速、潮流に波など、多様な条件に影響されながらも、正しく対処をしてあげると力強く進んでいく様に惚れてしまいました。ヨットが気持ちよく海上を進めるよう日々メンテナンスをしてあげ、それに応えてくれるかのように、走っている感覚が良い時は嬉しくなります。自分たちのメンテナンスだけでなく、それぞれの船自体に特徴があり、走った感覚も多少異なってきます。それを比較するのもまた面白く、ヨットという乗り物に出会えてよかったなと、強く思います。

「良かったこと」の最後は、辛いことがあることです。人生の夏休みとも揶揄されることのある大学時代において、部活動に入ることは強制ではありません。暑かったり寒かったり、満身創痍になるまで体を酷使したり、ヨットで海を走ること自体を苦行に感じる時が多々あります。高校の頃までと比べ、部活動の自由度が高くなるのとともに責任も増え、日々、頭を悩ませることばかりです。しかしそれでも、部活動を続け、辛いこともある場所に進んで身を置くことには意味があると思います。その意味を本当に実感するのは5年後か、10年後かもしれませんが、とりあえずは、あの時に比べればなと思えるぐらいには試行錯誤して行こうと思っています。
 
この他にもヨット部の魅力はたくさんあります。新入生の子には、是非ヨットに乗って魅力を感じてもらいたいし、後輩たちには、残りの数年間全力で走り切れば、とても充実した大学生活を送れるんだと伝えたいです。
まだ僕もあと1年ありますが。

 

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